わたしは生まれた時から犬と一緒の生活を送っていました。 今回は、わたしが小学生の時にやってきたわんちゃんの話です。 その犬はとっても神経質な犬でした。 子犬の頃はとても人懐っこくて可愛らしい犬だったのですが、 大人になるにつれてだんだんと神経質になっていきました。
今思えば体が弱かったから神経質になっていたのかもしれません。 食べるものも決まったものしか食べませんでしたし、 寝る場所も常に決まっていました。 飼い主以外の人が触ろうとするとものすごい勢いで吠えるか、 怒るかして手が付けられませんでした。
それに、物音にも非常に敏感で、家族の車が帰ってくる音や、 飼い主の足音などを聞き分けて、少しでも違う音がすると吠えまくる。 特に郵便屋さんのバイク音は嫌いなのかなんなのか不明でしたが、 とにかく吠えて吠えて仕方がありませんでした。 お散歩の時はチラチラこちらの様子をうかがって、 こちらが少しでもよそ見をしていようものなら 首輪を無理やり自分で抜いて脱走していました。 こちらが必死で探していると、何事もなかったように家に戻っていたり。
耳や足を触られるのが嫌いでした。 足の指が生まれつき一本多くて、子犬の頃に手術して取り去ったせいでしょうか。 その部分に触れようとすると噛みつかれそうになります。 かしこくていい子だったんですが、 神経質であったため長生きはしませんでした。 長生きするために、ドッグフードも無添加が良かったのかもしれません。
終末期には、新しい子犬との生活だったので神経質な彼にとっては苦痛だったかもしれません。 今思えば、もっと配慮してあげればよかったなと思いますが、 小学生のわたしにできることはあまりなかったのが悲しい思い出ですね。 神経質だったのか、神経質にさせてしまったのか、 もう一度あのわんちゃんに会えたら、そっと抱きしめてあげたいと思っています。